「信夫。これは大事な話だから、よーく聞くんだ」
「うん」
「ママの病気はもう絶対に治らないってお医者様が言ったのを知ってるだろう」
「うん」
「ところが、たったひとりブラックジャックという先生がママを治せるかもしれないんだ。
だがね、ものすごくお金がかかるんだ。この家や何もかも売ってしまうほど。
信夫。お前が住む家があるのと、ママが治るのとどっちがいい」
「ママが治ったほうがいい」
「そうだろうね。もちろんパパもそうだ」
「僕も働いて稼ぐよ。新聞配達するよ。学校をやめていいよ」
「バカなことを言うな。パパが死に物狂いでまた溜めるさ」